緩い社会は楽な社会?イタリア人に学ぶ働き方

 

 

イタリア人は怠惰なのか?

図書館でたまたま見つけた『最後はなぜかうまくいくイタリア人』という本を読みました。

 

 

イタリアといえば美しい観光地と美味しいイタリアン料理、フェラーリをはじめとする職人が作り上げる高級ブランドなどをイメージする人が多いでしょう。

 

そして、時間にルーズでまじめに働かないといったイメージを持つ人もいるかもしれません。

 

実際この本でも、イタリア人は約束の時間に遅れるのが当たり前で、むしろ自分も他人も遅れることを前提に動いていると述べています。

 

しかし、それは別にイタリア人が「怠惰」だからではありません。

 

イタリアという社会が、「そういう社会」であるというだけの話です。

 

イタリアには世界的なブランド価値をもつフェラーリのように、経営がうまくいってる企業がたくさんあります。

 

ただの怠け者ならそんなことはできないでしょう。

 

彼らは、彼らの価値観とルールで社会生活をしているのであり、それが日本的な労働観からすると異様に見えるだけなのです。

 

 

例えば接客業。

 

ファミレスで従業員がおしゃべりをしていて、卓上ベルを鳴らしてもなかなか来ないという事態が起きれば、日本ならクレームは確実でしょう。

 

下手したら、動画を撮られてSNSで拡散されることになるかもしれません。

 

しかし、イタリア人はこうした店員の態度に怒ることはありません。

 

「まあ、何度か押せば来てくれるでしょ」

 

「仕事中におしゃべりするのは普通だよね」

 

といった具合に、働く人に対して寛容なのです。

 

 

また、イタリアでは役所の窓口で公務員がプライベートな電話をしていて、窓口に行列ができることがしばしばあるそうです。

 

日本の役所でこんなことが起きたら、ニュースや新聞にまで取り上げられて日本中からバッシングされ、役所が謝罪することになるでしょう。

 

しかし、イタリアでは全く問題になりませんし、「そんなもんだよね」といった具合だそうです。

 

 

このように、日本人とイタリア人では「働く」ということに対して価値観が全く違います。

 

彼らは「怠惰」なのではなく、「自分にも他者にも寛容」なのです。

 

こうした寛容な雰囲気のせいか、イタリア人は日本人ほど仕事を苦痛だと思っていません。

 

昼間はだらだらと働く公務員が、夜はレストランで張り切って副業に励む、なんてこともよくあることだそうです。

 

通勤の時から一日が憂鬱で、家に帰ってからは酒を飲みながらテレビを観ることぐらいしかできないほど疲弊している日本人とは、えらい違いだと思います。

イタリア人から学べること

日本人は世界で一番仕事を苦痛に感じている人が多いそうです。

 

toyokeizai.net

 

これは僕たちの肌感覚とも合っている数字でしょう。

 

少し前にも、品川駅に掲載された「今日の仕事は、楽しみですか。」という広告に対し、

 

「楽しみなわけねーだろボケ」

 

といったツッコミが相次ぎ、炎上して広告の掲載が終了するという事態になりました。

 

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品川駅に掲載されたNewsPicksの広告
「今日の仕事は、楽しみですか。」

 

たかが広告に噛みつきたくなるくらい、日本人は働くことが苦痛です。

 

それはそうでしょう。

 

「お客様は神様」

「上司の指示は神の指示」

 

なんてフレーズのなかで、自分を押し殺しながら文句も言わずに働く。

 

理不尽なクレームにも謝罪あるのみ、パワハラやセクハラもひたすら耐える。

 

そんな時間が最低でも1日8時間、週5日あるわけです。

 

そりゃ世界で一番会社が嫌いですし、世界で一番自殺するわけですよ。

 

 

そんな日本人の働き方はなぜ変わらないのか?

 

何が労働者を苦しめているのか?

 

そんなことを考えてみると、実は労働者同士が互いに首を絞めあってるように僕は思います。

 

 

日本人は仕事をする中で、「時間に遅れてはいけない」とか、「相手の迷惑になってはいけない」と考えて行動します。

 

そうした考え方が「社会人なら当然」だとされているからです。

 

だからこそ、自分が客やユーザーになったときに、相手にも同じように時間の正確さや充実したサービスを求めます。

 

「自分もやってるんだから、当然相手も同じようにやるだろう」と。

 

その期待が裏切られると、店員にクレームを言ったり、電話で罵声を浴びせるといったことをするのです。

 

そして自分が働いているときには、ミスをして相手に迷惑をかけたとき、同じように厳しい対応をされて苦しむことになる。

 

こうした他人への厳しい態度が、巡り巡って他者から自分への厳しい態度として返ってきているのです。

 

自分にも他人にも厳しいからこそ、日本人の労働環境は苦しいものになっているんだと僕は思います。

 

 

一方、イタリア人の「自分にも他人にも寛容な態度」は、労働者が気持ちよく働ける状況をつくる好循環を生んでいます。

 

「自分がのんびり働けるんだから、他人がのんびりする権利も認めよう」

 

そんなイタリア人のマインドを、僕たち日本人も少しは見習っていいように思います。

 

 

 

ついでに紹介したいのが、『Viva!公務員』というイタリアの公務員を主人公にしたコメディ映画です。

 

時間にルーズでのんびりと働くイタリア人のスタイルもいいことばかりではなく、役所の効率が悪いなどの問題を抱えています。

 

そんな状況を改善するためのリストラ候補になってしまった主人公を描く中で、イタリア人の仕事への向き合い方や前向きさがよくわかる作品です。

 

僕のお気に入りの映画トップ3に入る映画で、Amazon Primeでも観られるのでぜひ視聴してみてください。

 

Viva!公務員(字幕版)

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