「義賊」でも何でもない鼠小僧の正体と2021年の衆院選

 

 

 

 

「義賊」の代名詞とも言える江戸時代の盗賊、鼠小僧。

 

権力者やお金持ちの屋敷に侵入して盗みを働いては、貧しい人々にお金をばら撒いたというエピソードは多くの人が知るところでしょう。

 

しかし、史実で知られる鼠小僧の正体は、そんなエピソードとは程遠いものでした。

 

 

鼠小僧が武家屋敷に侵入していたのは確かに事実のようです。

 

しかし、その理由は武家屋敷が意外に手薄な警備であることと、プライドの高い武士は被害届を出さないからだったようです。

 

また、鼠小僧は現代の価格で少なくとも1億円以上を盗んだとされていますが、そのすべてを酒や女遊びや博打に使っていたようです。

 

貧しい人にお金を配るどころか、「盗んだ金で飲む・打つ・買う」というヒドイ人間だったようです。

 

では、なぜ鼠小僧の物語は「義賊」という好意的なエピソードとして伝わっているのでしょうか?

 

それは、金持ちや権力者からお金を盗む鼠小僧の姿が、当時の人々に痛快なものとして映ったからでしょう。

 

金持ちや権力者のような「強者」をぎゃふんと言わせるヒーローにあこがれる庶民の気持ちは、今も昔も変わらないということですね。

 

 

さて、話は変わって2021年の衆院選では多くの政党が給付金を公約に掲げており、いわゆる「バラマキ」が1つのキーワードになっています。

 

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各政党の給付金

受給資格のある人にとって給付金はありがたいものですが、結局は「コロナ復興増税」で庶民が財源を負担するのではないかと不安視する人も多いでしょう。

 

唯一、日本維新の会はベーシックインカムとしての給付を掲げ、税制や行政の構造を根本から変えることで財源を賄うようです。

 

ベーシックインカム推進派の僕としては支持したい内容ですが、高齢者が多い日本で急激な社会変化は好まれないかもしれません。

 

それに対し、自民党の岸田総理が金融所得への課税強化を打ち出したことは、「富裕層から庶民への再分配が強化される」というわかりやすい期待を生みました。

 

富裕層は税率の低い金融所得からの収入が多いため、所得が1億円を超えると税の負担率が下がるという「1億円の壁」という問題があります。

 

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1億円の壁

 

金融所得への課税強化は「1億円の壁」問題を打破し、所得の再分配を促進するのではないかと期待されていたわけです。

 

しかし、自身の発言を受けて下落した株式相場を見た岸田総理は発言を修正し、「当面は金融所得への課税強化に手は出さない」と表明。

 

庶民の期待を裏切るかたちになりました。

 

 

「バラマキ」がキーワードになっている2021年の衆院選。

 

伝説上の鼠小僧のように、富裕層から庶民へお金を分配してくれる政党はあるのでしょうか?

 

それとも選挙のための一時的な釣り餌に過ぎないのでしょうか?

 

各政党の公約をしっかり吟味して投票に臨みたいですね。

 

 

*鼠小僧についてはこちらの本を参考にしました