本多静六『私の財産告白』は資産形成を目指すサラリーマンの必読書だった

資産形成を目指すサラリーマンが読むべき本はたくさんありますが、その中でも本多静六の『私の財産告白』は外せない1冊です。

 

なぜならこの本は、サラリーマンが資産形成をする上で最も大切な「倹約」について書かれた本だからです。

 

私の財産告白

私の財産告白

  • 作者:本多 静六
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle版
 

 

特に資産運用を始めたばかりの頃は、運用手法や銘柄選びにばかり目が向きがちになります。

 

同じお金を投資するなら、利回りや配当が高いものに投資したくなる気持ちは分かります。

 

しかし、サラリーマンの資産形成に最も重要な要素は

 

「どれだけ多くのお金を運用に回せるか」

 

ということです。

 

もう本当にこれにつきます。

 

10万円を運用して10倍に増やしても100万円にしかなりませんが、1億円を運用できる人は利回り1%で100万円の利益がでます。

 

 

資産運用でお金を増やすためには、

 

利回りを最大化させるのではなく元本を最大化させる

 

ことを目指すべきなのです。

 

そして急激に収入を増やすことが難しいサラリーマンが元本を最大化させるには、「倹約」によって無駄な支出を減らす以外に方法はありません。 

 

本多静六の『私の財産告白』はひたすらに倹約の大切さとその効果の絶大さを説いており、資産形成を目指すサラリーマンが身に着けるべきマインドを学ぶことができます。

 

前置きが長くなりましたが、『私の財産告白』の内容をかいつまんで紹介したいと思います。

本多静六とは

ここまで当たり前のように本多静六という名前を出してしまいましたが、あらためてどんな人物かご紹介したいと思います。

 

本多静六は1866年に埼玉県で生まれた大学教授で、林学博士、造園家、株式投資家としても知られている人物です。

 

裕福な農家に生まれましたが、9歳の時に父親が急死すると家は多額の借金を抱えることとなり、それまでとは打って変わって苦しい生活をするようになりました。

 

貧しいながらも勉学に励んだ結果、現在の東京大学農学部に当たる東京農林学校を首席で卒業。

 

その後、林学を学ぶためにドイツに留学し、帰国して母校の助教授を経て教授になりました。

 

 

ここまでなら単に「苦学の末に大学教授になった男」の人生ですが、本多静六が現代でこれほどまでに名が知られているのは独自の貯蓄術と分散投資によって財を成し、さらに370冊を超える著作を残したからです。

 

彼の貯蓄や投資のメソッド、大学教授を務めながら膨大な著作を執筆した秘訣をまとめた著書が『私の財産告白』なのです。

本多式資産形成術

本多の資産形成術はいたってシンプルなものでした。

 

それは、

 

・給与の4分の1を天引きして貯蓄

・ボーナスは全額貯蓄

・副業収入は全額貯蓄

・ある程度貯まったことろで分散投資

 

というだけのものです。

 

 

給料収入の4分の1を貯金し、さらにボーナスや副業収入は全額を貯金する。

 

これが彼の代名詞である

 

「4分の1貯金法」

 

と呼ばれる貯蓄術です。

 

式に表すと、

 

貯金=給料収入×1/4 +(副業収入 + ボーナス)×10/10

 

となります。

 

どれだけ生活が苦しくても、どれだけほしいものがあっても、給料は4分の1を機械的に天引きして貯金に回しました。

 

税金のことを考慮に入れないで計算すると、年収400万円の人が年間300万円、年収600万円の人が年間450万円で生活するということです。

 

 

これは多くの人にとって大きな苦痛を伴う貯金方法だと思います。

 

一般的に収入が増えると人は生活水準を上げずにはいられませんし、一度上げた生活水準は容易には下げられません。

 

高校から大学、大学から社会人と、自由に使えるお金が増えるにつれて支出も増えていった人がほとんどだと思います。

 

しかし、本当にお金持ちになりたいのであればこうした誘惑をはねのけ、節約に励まなくてはならないと本多は説きます。

倹約の哲学

本多は何もケチになれと言っているわけではありません。

 

見栄のための浪費をやめなさいと彼は説いているのです。

 

 

この世の浪費のほとんどは見栄に起因するものです。

 

収入の高さをアピールするために高額な時計を身に着けたり、女の子の前でかっこつけるために高級車を買ったり。

 

そうしたつまらない見栄のためにお金を浪費してはいけないと訴えているのです。

 

現代でいえば、SNSで話題のお店や観光スポットに行き、その様子を自分も投稿することで自尊心を満たそうとする行為も浪費と言えるかもしれません。

 

 

他人に見栄を張ろうとして浪費するのではなく、自分が本当に価値を見出せるものにお金を使えばいい。

 

倹約は必要なものを削ることではなく、無駄を省くことなのです。

長期分散投資

本多式資産形成術のステップ2は貯蓄したお金の運用です。

 

若い時期から分散して投資に回すことでお金は雪だるま式に増えていき、資産を築くことができると説いています。

 

そして、投資は決して「投機」になってはいけないとも述べています。

 

 

一方で、意外なことに『私の財産告白』では信用取引やレバレッジを効かせた投資など、ハイリスクな投資手法も紹介しています。

 

本多が生きていた時代はまだまだ金融商品が発達していなかったため、これは仕方ない面もあります。

 

しかし、現代を生きる僕たちには現代ポートフォリオ理論という明確な研究成果と、低コストなインデックスファンドという理想の金融商品があります。

 

僕たちは迷うことなくインデックスファンドで長期積み立てをしていきましょう。

本多式資産形成のゴールは仕事への熱中

ここまでで本多式資産形成術を紹介してきましたが、彼は最近話題のFIREを目指していたわけではありません。

 

むしろ熱中できる仕事をみつけて全力で楽しむことこそ大切であると言っています。

 

本多にとって資産形成とは経済的に自立することが目的であり、あくまで日々の収入源は仕事でした。

 

 

人はお金のためだけに働くのには限界がある。

 

いくら年収を積まれても、仕事がつまらないと感じるときは人生の幸福度は低いだろう。

 

だからこそ本業に熱中することをまずは目指せ、と本多は説きます。

 

そしてその上で本業に役立つ副業をすれば、仕事も楽しめるうえに収入も増え、さらにそれを投資に回すことで資産を増やすことができる。

 

このサイクルを作り上げることが本多式資産形成のゴールなのです。

 

 

本多は大学教授を務める傍ら、日々自分で決めたページ数だけ書籍の執筆を進めていました。

 

こうした積み重ねの結果、生涯で370を超える著作を残したのです。

 

この副業は本業と独立したものではなく、本業である大学教授の仕事役立つものでした。

 

副業を成功させて独立を目指すというのが最近の流行りですが、まずは本業に精を出し、そこで得られた能力を副業に還元したり、本業に役立ちそうなスキルが身につく副業を探すべきなようです。 

まとめ

「私の財産告白」で語られていることは、何一つ特別なことはありません。

 

・倹約してお金をため、堅実な投資で資産を増やす。

 

・仕事に熱中し、本業の役に立つ副業をする。

 

当たり前のことですが、やはりその当たり前を堅実にこなせる人が最後は勝つということでしょう。

 

『私の財産告白』の巻末の解説にこんな言葉がありました。

 

世の中には誰もがかてる勝負がある。

 

しかし、ほとんどの人はそういう勝負には参加をしない。

 

本多静六という人が人生で行った勝負は、その「誰もが勝てるが、ほとんどの人がしない勝負」だった。

 

倹約と長期分散投資。

 

たったこれだけ。

 

だけどほとんどの人はこの勝負に参加しません。

 

ウォーレン・バフェットも言っていましたが、「時間をかけてお金持ちになりたい人はいない」からです。

 

ビットコインや個別株でミリオネアになった人たちは輝いて見えますが、その足元には一攫千金のチャンスが回ってくることを信じて破産した無数の屍が積み重なっています。

 

誰もが勝てるのに誰もが参加しない勝負とは、努力や忍耐が求められる勝負のことです。

 

本多静六が言うように、

 

「人生即努力、努力即幸福」

 

という考えを大切にすることが勝利への近道なのかもしれません。

 

私の財産告白

私の財産告白

  • 作者:本多 静六
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle版
 

 

『私の財産告白』を含めて本多静六の著作の多くがkindle unlimitedの対象作品になっています。

 

初回登録なら30日間無料なので、一気読みしたい方には特におすすめです。