『戦前の少年犯罪』を読んで、現代の若者は大人しすぎるのかもしれないと思った

 

 

 

 

『戦前の少年犯罪』という本を読みました。

 

少年犯罪は質・量ともに改善しているという話は近年よく耳にするところですが、では昔はどれほど少年犯罪が起きていたのかと興味がわいたのです。

 

読んでみると、まず銃や刃物に対する規制が全く違ったものであることがわかります。

 

戦前の日本では小学生でさえピストルや折り畳み式ナイフを持ち歩いているのが当たり前で、それが危険なことであるという認識が社会全体で欠如していました。

 

また、「ゲーム脳によってキレやすくなった」と主張する人もいる現代の少年と比べても、戦前の子供たちのキレ方は半端ではありません。

 

ちょっとした喧嘩で同級生に手を出すことは、現代の小中学校でも少なからずあることでしょう。

 

しかし、戦前は折り畳み式ナイフでめった刺しにしたり、机の板で数十回も殴ったりなど、現代で起きたら数週間ワイドショーで騒がれるような事件がごく当たり前のように発生していました。

 

そして、その事件の報道も全国紙で取り上げられるということは珍しく、地方新聞の小さな見出しで収まることがほとんどだったようです。

 

 

また、「なぜその理由でキレるのか?」と疑問に思う事件も多発しています。

 

本で紹介された中でもっとも印象に残っている事件としては、中学生の女の子が迷子になっている6歳の女の子を連れて歩いた際、「泣き止まないから」という理由でトイレに連れ込み撲殺した事件があります。

 

「迷子になっている小さな子供が泣きやまない」という、たったそれだけの理由で撲殺してしまうのです。

 

なぜその理由でキレるのか?

 

また、キレたとしてどうしてそこまでやってしまうのか?

 

そんな疑問を抱かずにはいられない戦前の少年犯罪の数々がこの本では紹介されています。

現代の若者は優しすぎかも?

現代ならワイドショーが数週間は騒ぐであろうレベルの少年犯罪が、戦前の日本では日常のことのように扱われていました。

 

そんな時代と比べると、現代がいかに平和な社会であるかを実感するとともに、むしろ現代の若者は大人しすぎるのかもしれないとも感じました。

 

なんというか、社会の抑圧や不誠実に対して反発する気概が失われているように思うのです。

 

 

例えばこの本で紹介されていたエピソードに、牧場で働いていた少年が賃金の不払いに腹を立て、高価な種馬をすべて撲殺したというものがあります。

 

もちろん、今も昔も少年のこの行為は不法なものです。

 

しかし、賃金の不払いもまた不法なものです。

 

不法なことをしてくる相手に不法なことをやり返す。

 

この気概は現代の若者も見習っていい部分があるように思うのです。

 

 

現代のブラック企業も月に数十時間を超える残業に賃金を払わないなど、とんでもない不法行為をしています。

 

しかし、現代の若者がそのことに腹を立て、オフィスにあるパソコンを全部ぶっ壊したというような事件は聞いたことがありません。

 

耳にするのは、泣き寝入りして働き続けるか転職するか、自殺するかという話ばかりです。

 

少年犯罪が質・量ともに改善し、平和な社会になっている一方で、大人しすぎる若者から搾り取る構造ができてしまったと思うのです。

 

なにも過激な犯罪に走って社会に復讐しろというのではありません。

 

ただ、不法なことをしてくる相手にブチ切れるくらいの気概は、現代の若者も持っていいんじゃないかと思うだけです。

 

 

ブラック企業にブチ切れて、不法行為の証拠を集めてガンガン訴訟を起こす。

 

そんな合法的な反抗が増えると若者が生きやすい社会になるんじゃないかと思ったのでした。